甘えた郎

甘えの極みの戯言です

【西成】あいりん地区のドヤ街で3週間過ごしたお話

2016年2月、あいりん地区へ行き、3週間滞在していました。あいりん地区シリーズ第一弾として、この記事ではあいりん地区へ行った理由と、あいりん地区の紹介をしようと思います。

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はじめに 「あいりん地区」とは?

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赤い雑な線で囲まれたあたりが通称あいりん地区。有名観光スポット「新世界」のすぐそばである。
まずあいりん地区をご存知ない人向けに、どういう場所なのかを説明します。

あいりん地区という地名は、大阪府大阪市西成区の北部に位置する地区の愛称です。ここは路上生活者、いわゆるホームレスが多く居住しています。住所不定の日雇い労働者でも格安で住める安宿が集中するドヤ街(宿【ヤド】の逆さ言葉)でもあります。

日本にはこういった日雇い労働者・ホームレスが多くいる街がいくつかあり、ここあいりん地区は神奈川県寿町・東京の山谷と並び、日本3大ドヤ街の一つとも言われたりします。

今ではかなり浄化されたようですが、以前は覚せい剤の売人がそこらじゅうにいて、夜な夜な取引が行われていたらしいです。また、周辺には暴力団事務所も多く、あいりん地区一帯は日本でも有数の危険な街、スラム街だ、という人もいます。

このように、日常生活ではなかなか関わらないような、ちょっと非日常な地区。それがあいりん地区です。

僕があいりん地区に行った理由

好奇心からでした。日本に住んでいても、何気ない日常の中でもホームレスの人を目にすることはあります。穴だらけの服を着て、真っ黒な顔をして、この寒空の中野宿をする人たち。そんな人達で溢れかえっているあいりん地区では、何か非日常的な体験が出来るのではないかと思いました。

また、阪口裕樹さんという方が、宿代・物価の安いあいりん地区に滞在して、四六時中アフィリエイトをして成功したという話を聞いて、僕も挑戦してみようと思い立ったのも一つの理由です。

阪口裕樹についてはあいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。を見て頂ければと思います。

もっと日本の事が知りたい衝動に駆られ、僕はあいりん地区で3週間滞在することになりました。そこで起こった日々の出来事を記事にしようと思っていましたが、やはり本気度が足りなかった為か、滞在期間中は全く記事を書くことができませんでした。笑

あいりん地区の安宿「福助」に滞在

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先ほどご紹介したように、あいりん地区は日本3大ドヤ街の一つです。ドヤ街の宿泊費はどれほど安いと思いますか?僕が宿泊した宿は、1泊1250円程度の「福助」という宿でした。

最近はテレビやネットなどでも頻繁に紹介されるようになってきましたので、知っているひとは多いと思いますが、やはり安いです。一泊500円~の宿もいくつかあります。なので僕は、ドヤ街で言えば「高級宿」に宿泊したのかなと感じています。

部屋は3.5畳。液晶テレビ、冷蔵庫、簡易テーブル、ハンガー3つ、カラーボックス(3段)と布団が置いてあります。びっくりしたのが、冷暖房。なかなか新し目のエアコンが備え付けられており、暖房の効きがよく、寒くて部屋にいられないなんてことは全くなかったです(平日は朝6時~14時まで暖房が使えなかったけれど)。

この値段にしては、部屋の設備は申し分ない。けれど、タバコを吸う人が多いのか、独特の臭いがしました。ドヤ街の独特の臭いというのか、そういった臭いが気になる人にはあまりオススメは出来ないかもしれません。

あいりん地区の安宿は、全部で100以上あるようです。

望んでホームレスをしている人がいること

実際に3週間、色々なところに行き、色々な体験をしました。それらはまた別の記事で紹介するとして、実際に滞在してみて思ったことを書いてみます。

あいりん地区では、以前は日雇い労働者が多くを占めていたそうですが、現在はその年代の人達は高齢になり、生活保護を受けている人が非常に多いようです。安宿が住居を提供し、そこに住所登録をすることで生活保護を貰える体制が整うそうです。それでもやはり、路上で寝泊まりする人の数は、ここが日本だということを忘れさせるくらいのものでした。

ただ、この中には自ら望んでホームレスをしている人も多いのではないかと感じました。なんとか食い扶持さえ見つけてしえば、炊き出しは毎日行われる、寝る場所も確保できる、そして朝から何をしようが誰からの文句も言われない。そして、住所不定の彼らは税金を払うことをしません。

かつては企業努めをしていたというホームレスの人がいました。その方は50歳前後で、体もまだ動くようでした。「何故ここで過ごしているのですか?」と聞いた時、彼は「楽しいし、楽だからだよ」と言っていました。それを聞くまで、彼らは仕事が見つからなかったり、社会に適合できずに、仕方なくここに集まり、ただ生きるだけの生活を行っている、可哀想な人たちだと感じていました。しかし、この人は自ら望んでこの環境に身を置き、充実した生活をしているように見えました。

彼らは日本の政府・自治体にとらわれず、彼らだけの共同体を作りあげている、といっても過言ではないでしょう。国に税金は納めていないけれど、ホームレスカーストみたいなものがあって、自治体運営(?)の為の資金として、ホームレス長がお金を集めているかもしれない。そんな想像をしたりししました。

 

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以上で今回の記事は終了です。今後、あいりん地区の労働センターから日雇い労働を体験した話、ホームレスの人と仲良くなった話、資金が底をつきてホームレス寸前になった話、お金がないから仕方なくヒッチハイクで帰った話など、続編を書いていく予定です。

お時間があれば、また見に来て下さい♪